フィールド
ミュージアムマップ
01鳴子温泉エリア
山間地の米づくりと湯治文化
山間地で用水の難しい場所で人力により水路を開削し、冷たい沢水を温めてから水田に引き込むことなどの創意工夫が行われてきた地域。豊富な湯量と泉質を誇る鳴子温泉郷、伝統工芸品「鳴子こけし」や「鳴子漆器」などとともに、東北を代表する農文化が引き継がれています。
Pick UP!
今も使われる江戸初期の潜穴
(トンネル水路)
鳴子温泉からさらに上流にある南原地区は、標高が高く、近くの河川との間に山があるため、田んぼに水を運ぶことが難しい地域でした。そのような地域に河川から水を引くため、当時の人々が考えたのは、山に水路用のトンネルを掘ることでした。1644年から、役人である遊佐平衛門宜次の指揮のもと、人々はコツコツと地道に手だけで山を掘り抜いたのです。それが「南原穴堰」です。総延長は1,880mで潜り穴と呼ばれるトンネル部分が1,330mもあります。トンネルには、途中「狭間」と呼ばれる横穴があり、清掃の際には土砂の排出用に使われました。「南原穴堰」は、370年の時を経た現在においても、当時とほぼ同じ形で残っており、農業用水や生活用水として利用され、南原集落の水田25haを潤しています。
【堰の清掃「堰払い」】
農業用排水路・枡の泥・土砂を排出し、スムーズな水の流れを確保するための水路清掃「堰払い」を春と秋に年2回行うことで、南原の水管理を維持しています。
鳴子の米プロジェクトの取り組み
「ゆきむすび」誕生へ
近年は、過疎化や、標高が高いため冷害になることも多い鳴子温泉地域の農業に対する危機感から、2006年、「鳴子の米プロジェクト」がスタートしました。これは古川農業試験場で開発された、寒さと病気にも強い低アミロース米「東北181号」を試験栽培し、さらには美味しい食べ方の研究を進め、ファンを根付かせるもので、自分たちで考え名付けた「ゆきむすび」は、品種登録が認められました。
プロジェクトでは、つくる人と食べる人が支えあい、みんなの力で地域の農を守るために、共感した温泉旅館や都市部住民が前払いでお米を購入しています。農家が安心して米を作ることができ、様々な人が一緒に鳴子の農業を支えています。
【鳴子の米「ゆきむすび」】
「ゆきむすび」はモチモチと粘りがあり、冷めても硬くなりにくい特徴がある希少米です。2009年には、「第3回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」で最優秀賞を受賞。「むすびや」で美味しいおにぎりを食べることができます。
鳴子の米プロジェクトの活動に参加しませんか?
春は田植え、秋は稲刈りといった体験交流会を行っています。おいしい「ゆきむすび」ができるまでを一緒に体感してみませんか。
【鳴子の米プロジェクトHP】
http://www.komepro.org/
エリア紹介映像
スペシャルギャラリー
[遊佐大神の碑]
[鍛冶谷沢地区の居久根]
[南原ホタルの里] 見頃:夏
[南原ホタルの里] 見頃:夏
[どぶろく「ゆきむすび」]
ゆきむすびを使用した、 甘酸っぱくて香り高い自家製のどぶろくです。
[鬼首神楽]
[湯治文化「滝の湯」]
[湯治文化「川渡温泉 加賀旅館」]
[山間地の米「ゆきむすび」] 見頃:秋
[鬼首菜] 見頃:秋
[鬼首菜] 見頃:秋
[岩堂沢ダム] 見頃:春
[鳴子ダム] 見頃:春
5月にはすだれ放流に併せて鯉のぼりが設置されます。
[ぬるめ田] 見頃:春
寒さの厳しい山間地では、水田一枚をぬるめに利用します。
[ぬるめ池] 見頃:春
[ぬるめ水路] 見頃:春
[南原穴堰の狭間(さま)管理] 見頃:春
[南原穴堰の江払い] 見頃:春
春、田んぼの作業が始まる前に、用水の準備として江払い作業が行われます。
[南原穴堰(用水路)] 見頃:夏
[南原穴堰] 見頃:夏